研究所の概要
【所長の挨拶】
H19年1月、脳神経疾患研究所を立ち上げてから5年が経ちました。その5年間に多くの先生方の参加・協力を得て、伊勢慶友症例検討会も44回を超え、伊勢赤十字病院から引き継いだ奈良県・三重県の代の高次機能に興味を持つ医師・言語訓練士などが集まる三奈大脳高次機能懇話会も第19回から第34回まで15回開催させて頂きました。それらの業績が認められ、5年間日本神経学会・準教育施設を続けることが出来ました。
一緒に脳神経疾患研究所を立ち上げてご尽力いただいた加藤保司先生がご開業なされましたが、H24年1月から三重大・神経感覚医学講座システム神経科学分野教授・山本哲朗先生に週一回外来の応援に来ていただくことになりました。加藤保司先生も非常勤・顧問として今もご協力いただいています。
その他、現在も顧問にJournal of
Neurology Neurosurgery & Psychiatryの審査員を務める田中裕先生、前三重大医学部教授の津田光徳先生、三重大学臨床講師の村井克昌先生、および非常勤相談役として河瀬斌・慶應大学脳神経外科教授、大平貴之・慶應大学准教授、吉田一成・慶應大学准教授のご協力を頂いています。非力ですが、これからも力の続く限り、脳神経疾患研究所を続けて参る所存でいますので、よろしくお願いします。
【研究所の特徴】
2007(H19)年1月、当研究所は三重県南勢地区の神経疾患の中核研究所・病院として立ち上げられ、5年が経ちました。これからも救急病院としての対応は出来ませんが、ゆっくり、じっくり診療出来る研究所を目指しています。
脳神経疾患研究所の名前は治療に対する以下の理念から発しています。
@なるべく早く最新の医療を吸収して治療すること。
A色々な症状は生理学的、生化学的基礎をもとにして出現するため、それらの基礎を解明し、治療に 反映すること。
そのため、今まで三重・奈良の医師を集めた三奈大脳高次機能懇話会も15回開催し、その都度、日本の一流の研究者に講演をお願いし、44回開催した伊勢慶友症例検討会で最新の文献紹介をして研鑽を積んでいます。
医療設備として、MRI、CT、脳波+研究所オリジナルの脳波解析装置、大脳誘発計+研究所オリジナル記録装置、筋電図、重心動揺計、電子瞳孔計、サーモグラフィー、電気眼振計(眼電図)+研究所オリジナル記録装置、アクチグラフィー、頚動脈エコー、音声分析器などを使用し、ストレスマーカーも唾液腺アミラーゼなどを測定しています。
対象疾患としては脳血管障害、脳腫瘍、脳炎・髄膜炎、神経変性疾患、代謝性疾患、変形性頚椎症、腰椎椎間板ヘルニア、末梢神経障害、痴呆まで幅広い範囲としています。
現在、研究所で取り組んでいる治療など
@認知症の診断にはMRIの統計ソフト・VSRADを使用して、認知症の分類、進行度に役立てています。
A音響分析装置では失語症・脊髄小脳変性症・パーキンソン病の診断、進行度の分類に役立てています。
B痛みに対し、慢性痛の機序を研究しています。
C脳梗塞の運動麻痺に関し、新しい脳波解析で運動機能の回復を予測しています。
D言語訓練士は嚥下困 難の訓練も行っています。
EリハビリテーションはゲームソフトWiiを取り入れた訓練・特殊な帽子を使った訓練、リックサックを
使った訓練など新しいことを導入しています。
その他、上記顧問の諸先生及び米国ボストン大学アルバート教授の指導を仰ぎ臨床研究を進めています。

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