ごあいさつ

        地域に密着した医療と、優しい看護・介護を目指して


 平成15年10月1日に、慶應義塾大学伊勢慶應病院を継承し医療法人全心会伊勢慶友病院として再出発して、早一年が過ぎました。前身の伊勢慶應病院は昭和49年より約30年間、大学の分院として高度かつ親しみのある病院として南勢地区の医療を担ってこられました。
 21万人もの方が存続に署名され、その業績がいかに大きかったか判ります。私の母校の病院を継承させて頂くのは非常に光栄ではありますが、同じくらいにその責任の大きさを感じております。
私ども「全心会」の謂れは「全ては心(気)に宿る」であります。病気・怪我を早く・確実に治癒されんことを願っております。

 これからの時代は高齢化が急速に進行し、高齢者の方々にとって、真に求められる医療とは何かを考える必要があります。2週間程度の急性期医療を終え、その後の数ヶ月に及ぶリハビリを含めた慢性期医療がより身近な問題として大切になってくるのではないでしょうか。
 しかし、この地域には慢性期医療を担う病院が少なく、私どもは慢性期医療に力を注いでいきたいと思います。慢性期医療は長期の療養となりますので、その療養環境の充実と看護・介護するスタッフの患者様への接し方が大切だと思います。

 環境に関しては食堂・談話室・特殊浴槽などの増設を終え、スタッフは病院機能評価取得に向け日夜研鑽し、病院の理念の一つである患者様の立場に立った医療の実践に邁進しております。
 慶應病院時代とは、その姿・機能を大きく変え、急性期医療も行う療養病院として病院連携・病診連携を通じてより地域に密着してまいりたいと願っております。

                            平成16年10月   理事長 切東 喜久夫